■神戸に昇るHUSKING
BEEの太陽 |
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神戸に大きな波が起きた。
台風の接近のせいではない。HUSKING BEEの放つ躍動する音によって、観客が大洋となって波を起こしていたのだ。その波は『#4』や『A
SMALL POTATO’S MIND』では高波となり、その波にダイブをする者が続出。次々に音と人とで出来上がったウェーブに飲み込まれていく。
また静けさのある曲では穏やかな春の海のようにゆらりゆらりとうねりを作っているのが印象的だった。そんなオーディエンスの波間から、彼らの歌は昇ってくる太陽のようだ。『THE
SUN AND THE MOON』では本当に朝陽のように燦燦と歌が輝いていた。
そして最後には久しぶりの『WALK』。このイントロに客席の奥で芝生に座り、好きに楽しんでいた観客も駆け出した。昇る太陽に、みんな向かわずにはいられなかった。HUSKING
BEEの太陽がまた神戸に昇る日が楽しみになる、そんなライブだった。
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■流血のPENPALS! |
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それは4曲目の『JUMPIN’ THE GUN』で起きた。モリヤが歌いだすと、その隣でギターを掻き鳴らしていたハヤシの顔は鮮血に染まっていたのだった。
この日のPENPALSのライブはステージの4人も観客も最初から爆発的なテンションだった。それもそのはず。長年ファンに愛されてきた『TELL
ME WHY』からライブがスタートしたのだから。そこから『CARS』、『I WANNA KNOW』とライブでいつも盛り上がりを見せる曲が立て続けに鳴ったものだから。ファンの熱は凄まじく上昇していた。否が応にもメンバーの気持ちも昂揚していった。そこにハヤシの流血。
「ジーン・シモンズみたいだったな」とハヤシは楽屋で笑った。「なんか、いつもここではオレら的に伝説になっちゃうライブになるんだよなぁ」と。流血を拭って、ライブは続行。『ラヴソング』では観客が後方からも押し寄せて、ステージ前にダッシュする姿が。そして『DAYS
GONE BY』では大合唱。PENPALSというバンドの絶頂感を感じる、そんなライブだった。
終了後の楽屋ではPOLYSICSのハヤシが「本当に凄いライブだった」と感嘆のため息をもらし、「最高だったなぁ」とPOTSHOTのRYOJIも笑顔になった。PENPALSの最もPENPALSらしいライブだった。
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■THE
BACK HORNが降らせた音の結晶 |
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サウンド・チェックをしていたTHE BACK
HORNのライブは、実は静かに臨戦態勢へと入っていた。ばらばらと鳴らされていた音は、おもむろに「音楽」となり、いつのまにかライブが始まっていた、そんな印象。
セッションから『幾千光年の孤独』へ。本能のままに生み出された楽曲が、これまでストレートなロックに染められていた会場を一気に飲み込む。短いMCからメロウな『夢の花』、そして青い炎の如き静けさを持った情熱を感じさせる『未来』へ。畳み掛けるライブではなく、会場に染み込んでいく歌たちをオーディエンスは呼吸をするように全身に吸収していく。「お客さんがじっと聴いてくれてるのが、見ていてわかったんですよね。すごくいいライブになったと思います」とドラムの松田。
THE BACK HORNが降らせた音の結晶は、確かに神戸の地に刻まれたのだった。
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■ストレイテナーの鼓動のライブ |
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骨太でまっすぐなロックンロールで会場を沸かせたのはストレイテナー。3ピースのシンプルな音で放つ正統派ロックンロール・ナンバーを、オーディエンスは全身で受け止め、そして全力で声をあげていた、そんな熱いシーンが会場のそこかしこで見られた。
「雨になると思ってたから、雨用の言葉しか考えてこなかった(笑)」というホリエだったけれど、言葉なんていらないくらいにストレートに想いを込めた楽曲たちで観客は彼らの気持ちをちゃんと受け取っていたハズ。『REMINDER』のイントロが鳴ると歓声があがり、『ROCKSTEADY』ではホリエの声に大歓声が重なる。
最後の『TRAVELING GARGOYLE』では鼓動のように強く波打つリズムに「オイ!オイ!」と会場からコールが湧き上がった。その声は、ステージのメンバーにも確かに伝わっていた。彼らの歌が届いた証として。だって楽屋に戻ってきたメンバーの第一声は「気持ちよかった〜」だったんだから。
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■青空のParty |
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メンバー全員がスタイリッシュに黒い服でキメたPOTSHOTのライブが始まると、夏フェス・ロックな会場の雰囲がは突如巨大屋外ダンスホールに変わった!
「台風が待ってくれているみたいですね。この青空はみなさんの願いが通じたんだと思います」とRYOJI。ピーカン気分で底抜けにハッピーでダンサブルなライブは『Party』からずっとParty状態!右も左もステップ踏むキッズだらけ。跳ねて飛んで、ついでにダイブにモッシュ、と「これぞPOTSHOT」なライブに、空にかかっていた雲はグングン飛ばされ、オーディエンスの頭上には青空がキレーに広がった。
「こんな空にピッタリな曲です」と演奏されたのは『Under the blue sky』!気持ちよく宙を舞うキッズの姿にメンバーも笑顔がこぼれる。
POTSHOTの青空のPartyで会場中がハッピー笑顔になった。「熱かった〜〜〜」。ライブ後のRYOJIのこのひとことに、ライブの全てが凝縮されていたと思うゾ。
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