LIVE REPORT

Rhythmic Toy World

夏を思わせるド晴天の中、トップバッターを務めるRhythmic Toy World内田(vo&g)の求心力のあるアカペラのフレーズでスタートした、今年の『RUSH BALL☆R』。「準備は出来てるか!? 大阪!!」との呼びかけに熱い反応を示すオーディエンス。繰り出すギターロックサウンドで初っ端から会場は大いに盛り上がる。疾走感漂うアッパーなアンセムからミディアムでルーズなフレーズが印象的な楽曲まで、テンションMAXのパフォーマンスで会場を圧倒しっぱなしのRhythmic。「大阪一熱いイベントを、日本一熱いイベントにしませんかっ!?」(b・須藤)なんて煽りには、沸かないわけにはいかない。オーディエンスもビートに合わせてコブシを突き上げる。「満面の笑みのみんなに会えて、すげぇ嬉しい!!」(内田)との言葉を証明するかのようなステージは、痛快という他なかった。

  • 01. さなぎ
  • 02. インスタントラヴァー
  • 03. 光と闇と、その目とその手
  • 04. S.F
  • 05. とおりゃんせ
  • 06. フレフレ



Kidori Kidori

「去年は(会場の外で)ビラ巻きしてて、出られるなんて感慨深い」(vo&g・マッシュ)なんて、『RUSH BALL☆R』への思い入れを語ったかと思えば一転、「ゆる~く始めたけど、甘く見てたらアカンぞ~!!」と、攻撃的とも思えるテンションで幕を切ったのがKidori Kidoriだ。3ピース編成で、ステージ上にほぼ真横に並ぶというセッティング。重厚で叙情的なエッセンスも散りばめた力強いサウンドを展開していく中、「嬉しいことがあったとき、恥ずかしくて言えない想いを曲にした」(マッシュ)と披露したのが、『5/10』という曲。今年の『RUSH BALL☆R』の開催日ピッタリの抜群のシチュエーション。「みんなにとっても忘れられない日になるように」(マッシュ)との言葉も印象的だった。この日披露したのは同曲含めて全7曲、このステージにかける気合が何より際立っていた。

  • 01. Watch Out!!!
  • 02. HHH
  • 03. This Ocean Is Killing Me
  • 04. 5/10
  • 05. Say Hello!(I'm not a slave)
  • 06. Mass Murder
  • 07. NUKE?



ドラマチックアラスカ

神戸から参戦した三番手はドラマチックアラスカ。センシティブなボーカル、疾走感を前面にパワフルなビートが身上の彼らは、そのポテンシャルを存分に発揮したと言えるだろう。ライブ開始早々上気した顔で文字通りの渾身のステージを見せるヒジカタ(vo&g)、そして緊張感の漂うロックアンサンブルで聴かせるメンバーたち。アツい日差しと心地いい風を背に、疾走するビートが際立つ新曲の『東京ワンダー』を含めて6曲を演奏。彼らも『RUSH BALL☆R』出演への思い入れはかなりあったようで、「去年は普通にチケットを買って見てました」(ヒジカタ)なんて裏話も微笑ましい。そんな経緯も力に、血管がブチ切れそうなほど熱の入ったパフォーマンスで会場を巻き込んだ彼らは、オーディエンスの熱い歓声と拍手を浴びていた。

  • 01. 衝動
  • 02. エキセントリック
  • 03. それでも生きている
  • 04. 東京ワンダー
  • 05. リダイアル
  • 06. 星になる



indigo la End

冒頭、川谷(vo&g)がいきなり頬を押さえるポーズを見せ「歯が痛い…(笑)」なんて、会場を沸かせつつ始まったindigo la Endのステージ。言うまでもなく、そんなネガティブな要素など微塵も感じさせないパフォーマンスを堂々と披露した。軽快なギターフレーズと滑らかに進むポップロックサウンド。センチメンタルに響く川谷のボーカルも印象的だ。3曲目に演奏した、「TOTALFATとNorthern19の間にやるつもりで作った(笑)」(川谷)という厭世的とも思える内容の新曲は、セッショングルーヴによる厚みのあるサウンドとエモーショナルな展開が圧巻。想定通りの順番でなくともノープロブレムな迫力で迫る。最後は、川谷がまるで泣いているように突っ伏して熱唱する姿も見られた珠玉のロックバラード『素晴らしい世界』で、感動と共に彼らはステージを終えた。

  • 01. 名もなきハッピーエンド
  • 02. 緑の少女
  • 03. (新曲)
  • 04. ダビングシーン
  • 05. 素晴らしい世界



テスラは泣かない。

リズム隊が刻む力強いビートとともに、テスラは泣かない。のステージは始まった。独創的なサウンドアプローチを持ち味とする彼ららしく、この日披露したのはめくるめくロックグルーヴを基本にした曲ばかり。ポエトリーリーディングともラップとも言えるような表現方法を巧みに織り交ぜた村上(vo)、力強い演奏と裏腹に美しいコーラスでも聴かせた飯野(key)、裸足でテンションの高いパフォーマンスを続けた吉牟田(b)、そしてバンドグルーヴを支えた實吉(ds)。往年のブリティッシュビートを彷彿とさせるようなキャッチーなナンバーの連続に、オーディエンスは盛り上がる一方だ。会場近くにそびえる大阪城を建てた豊臣秀吉の“鳴かぬなら、鳴かせてみようホトトギス”と掛けて、「僕ら、テスラは泣かない。(笑)」(村上)なんて話したMCもお見事だった。

  • 01. fuga
  • 02. Lie to myself
  • 03. cold girl lost fiction
  • 04. Cry Cry Cry
  • 05. Shake your hands saying good bye
  • 06. アンダーソン
  • 07. 梵



go!go!vanillas

go!go!vanillasは、メロディアス&キャッチーなUKロックサウンドを存分に披露。ポップで軽快なナンバーに合わせて、スタート時点からオーディエンスも手を挙げてノリノリ。これには思わず牧(vo&g)も「サイコーです! サイコーに気持ちいいです!!」と連発。その高ぶる想いを証明するかのように、当初予定していたセットリストを急遽変更、「この会場に来て、この会場に合うと思って決めました」(牧)と演奏したのが、『なつのうた』だ。どこか哀愁を漂わせつつも進行するにつれて高揚感を増す、エモーショナルなナンバー。この曲を加えて披露したのは全6曲。最後に熱い想いを託した彼ら流のエールソング『人間讃歌』まで、会場は盛り上がりっぱなしだった。

  • 01. オリエント
  • 02. 非実在少女
  • 03. なつのうた
  • 04. (新曲)
  • 05. アクロスザユニバーシティ
  • 06. 人間讃歌



Northern19

「全力でぶつかっていきますっ!!」という雄叫びと共にライブをスタートさせたのはNorthern19。抜群の疾走感とダイナミズム。3ピースとは言え、その重厚なサウンドは開放感のある大阪城音楽堂を包み込み、オーディエンスを圧倒していく。笠原(g&vo)、井村(b&vo)のツインボーカルのインパクトに、馬場(ds)は高揚感のあるビートを刻み続ける。会場の興奮も留まるところを知らず、イス席はもちろん、後方の芝生エリアも大騒ぎ。踊りまくるオーディエンスで砂煙が起こるほどだった。「(イス)席があるところでやるのは慣れていないけど、全然関係ない!」との言葉通り、全力でプレイしていく3人。「ちょうどこんな雰囲気の野外でやれたら…」と披露した新曲の『TONIGHT,TONIGHT』など、計7曲にわたって会場の空気をアツくしてくれた。

  • 01. GO
  • 02. MORATORIUM
  • 03. STAY YOUTH FOREVER
  • 04. SMILE FOR PEACE
  • 05. TONIGHT,TONIGHT
  • 06. NEVER ENDING STORY
  • 07. SUMMER



SHISHAMO

昨年に続き、2度目の『RUSH BALL☆R』参戦となったSHISHAMO。ロックバンドらしく凛とした世界観を今年も存分に披露してくれた。乙女心を綴った歌詞にキュートなボーカル、しかしながら力強くもグルーヴィーなサウンドと、プラスアルファで独自性を確立。夏フェスシーズンに打ってつけの新曲ナンバーも用意。そして後半は、3ピースバンドの絶妙なアンサンブルを前面に、キャッチーな楽曲を演奏していく。『タオル』はもはやライブでは定番中の定番。タオルをぐるぐる振り回してステージと客席が一体となる楽曲で、“タオルを用意、持ってない人は物販コーナーまで…”と綴った歌詞もユニーク(笑)。終始、真摯なライブパフォーマンスで展開した3人は、あたたかな拍手を浴びながらステージを後にした。

  • 01. バンドマン
  • 02. (新曲)
  • 03. (新曲)
  • 04. 僕に彼女ができたんだ
  • 05. タオル
  • 06. 恋する



TOTALFAT

炎天下のもと始まった今年の『RUSH BALL☆R』。いつしか照明が映える夕暮れを迎えたステージで、その大トリを務めたのがTOTALFATだ。「パーティが始まるぜっ!!」(b・Shun)の掛け声とともに、ライブがスタート。1日中ハイテンションでステージに釘付けとなっていたオーディエンスの爆発力もかなりで、彼らの放つ痛快なロックンロールのグルーヴにひたすら身を任せていく。コール&レスポンスの瞬発力も圧巻だ。両手を交互に上げ下げするダンスで会場を1つにした『PARTY PARTY』や新曲など、ダンサブルなロックチューンを連発。ヘヴィなロックアレンジと美メロを融合させた『Room45』、ポジティブなメッセージを込めた『Good Bye,Good Luck』、そして「みんなの背中を押してあげるような曲」(Shun)という『Overdrive』でステージは終了…と思いきや、まだまだクールダウンしたくないオーディエンスはアンコールを要求。その声に応え、再登場した彼らは“君は1人じゃない”というメッセージを込めたアッパーなナンバー『Place to Try』を披露。見事に今年の『RUSH BALL☆R』を締め括ってくれた。

  • 01. Summer Frequence
  • 02. PARTY PARTY
  • 03. (新曲)
  • 04. Room45
  • 05. Good Bye,Good Luck
  • 06. Overdrive
  • 07. Place to Try



RUSH BALL☆R

今年もMCにFM802のDJ、MC、テレビ司会、声優、クラブDJとして幅広く活躍中の大抜卓人さんを迎えて始まったRUSH BALL☆R。 ステージの合間には(最中にも!)フテネコブースで芦沢ムネトがライブペインティングを行い、出演バンドのライブシーンをその場で描きまし た。 最後には毎年恒例のお客さん全員で記念撮影も! 休む間もなく終始盛り上がりをみせたRUSH BALL☆R。夏のRUSH BALLがより楽しみになるイベントになりました。


Text by 金本真一
Photo by 田浦ボン




Pagetop