[Alexandros]の壮絶なステージからのバトンを受けて、ATMCのClosing Actを担うのはゲスの極み乙女。の4人だ。リハから大盛況だったため、「花火のあとにライブをやると思わなかったし、リハで盛り上がったからもうライブできないのかと思っちゃった」というフロントマン・川谷(vo&g)の心配をよそに、1曲目『パラレルスペック』から大歓声に包まれるATMC。低体温な川谷の歌声が、サビでは感情のリミッターを振り切るほどの爆発力を見せ、一気に場をつかんでいく。不条理な歌詞が脳内を占拠する『餅ガール』、その場の全員が声を合わせた『ドレスを脱げ』と、もはや会場はダンス空間へと変貌! さらに、どこにそんな体力が残っていたのかと思うほどに、夢中で踊り楽しむオーディエンスにはこの上ない至福の表情が浮かんでいる。彼らのステージの凄まじさを証明する、何よりの証しだ。
「この景色をここで見られて本当によかった。来年は一番デカいステージのトリをやります」(川谷)なんて宣言も飛び出すも、あながち夢物語に思わせない説得力が彼らのパフォーマンスに詰まっているのだ。
続けざまに新曲『猟奇的なキスを私にして』、特大のキラーチューン『キラーボール』をブッ放すも、オーディエンスは満足してくれない。「夜に似合う曲を」(川谷)とセレクトした叙情的な『ユレルカレル』をアンコールに、濃厚な大団円を迎えた。
2010年代のダンスロック・ムーブメントをまるごとのみ込み、新たなサウンド・スケープをもたらした脅威のニューカマー。その存在感で堂々RUSH BALL 2014のClosing Actを飾ってくれた。
- 01. パラレルスペック
- 02. 餅ガール
- 03. ドレスを脱げ
- 04. 猟奇的なキスを私にして
- 05. キラーボール
- 06. ユレルカレル