2nd Day - 2013.09.01 -
KANA-BOON [ATMC]
サカナクションが終わった瞬間、打ち上げ花火が夜空に舞う。サカナクション終わりの観客が、ATMCのステージに吸い込まれるようにやってくる。2日間を締めくくるClosing Act...、つまり大トリを務めるのは大阪は堺出身のKANA-BOON。
「ワールド」の最初の一音が鳴らされた瞬間に、完全に時代を味方にしている勢いを感じた。一音、一音が飛び込んでくる...、若武者の凄まじい成長ぶりに驚くのみ...。挑発的なギターリフが特徴的な「クローン」で観客を大いに盛り上げた後、ボーカルの谷口鮪が話し出す。「地元なので、自分の口から発表させてください!9月25日にメジャーデビューします!」と観客に伝えられる場面が印象的だったように、見事に凱旋を果たしたライブであった。観客も心から「おめでとう~!」と祝福する。谷口は「めまぐるしい感じではありますが、一緒に歩んでいけたらなと」とメッセージも届け、デビューシングルとなる「盛者必衰の理、お断り」を披露。古典なフレーズが散りばめられたナンバーは、十分メジャーという大舞台で戦っていける屈強な楽曲であった。 再度、谷口は話し出し、ネットだけの薄っぺらい関係性ではなくライブという場所で繋がりたい気持ちを一生懸命訴える。夕方、雑誌の対談で一緒だったキュウソネコカミのヤマサキセイヤの「ATMCは、向こうに行くための始まり」という言葉を借りた上で、「来年は、向こうで逢いましょう!」と力強く誓う。最後は既に定番曲になりつつある人気のナンバー「ないものねだり」で、歌詞のワンフレーズを「RUSH BALL!」に変えたりする遊び心を入れつつ、コール&レスポンスを。次世代の確かなる未来を感じたステージであった。 -Set List-
M1. ワールド
M2. クローン M3. 盛者必衰の理、お断り M4. ないものねだり サカナクション
いよいよ15th RUSH BALLの大トリ、サカナクションが登場。まずは5人が横に並び、ラップトップの前に立つと、闇を切り裂くかのような大歓声とハンドクラップの中、「ミュージック」がスタート!硬質なリズムを淡々と刻みながら、心地よい風が肌をなでる気持ちのよい夜の野外をクラブ空間に変えていく5人。そして、ゆっくりと着実にアゲていく。
山口(vo.g)が「ラッシュボールーー!!みんな踊っていいぜー!!」と叫ぶと、貯めていたエネルギーが放出され、「アイデンティティ」のイントロで一気に爆発!そのまま「ルーキー」の歌詞に繋げて、レーザー光線と共に恍惚感を増幅させていく。「僕と花」で山口の声をしっかりと遠くまで届けた後は、再びDJテーブルが登場し、ハードテクノな「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』2013 VERSION」、「ネイティブダンサー」に突入。レーザー光線でステージ上部や左右に「Sakanaction」、「RUSH BALL」の文字をVJ的に点滅させたり、雪のように降らせたりと光と音のショーが惜しみなく繰り広げられた。「みんな!まだまだ踊れる?」と山口が叫ぶと、最後の曲となった「夜の踊り子」でメインステージ後方まで踊るみんなの姿が赤い照明に照らされ、壮観な眺めに。昼間の何度かの豪雨で、すっかりぬかるんだ地面を少しも気にすることなく、どろまみれになりながら跳ねに跳ねまくったオーディエンス。2日間を締めくくる花火があがる中、メインステージは素晴らしいフィナーレを迎えた。 -Set List-
M1. ミュージック
M2. アイデンティティ M3. ルーキー M4. 僕と花 M5. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』2013 VERSION M6. ネイティブダンサー M7. 夜の踊り子 THE NOVEMBERS [ATMC]
'10年のRUSH BALL☆R以来の出演となったTHE NOVEMBERSは鋭さを持ち合わせた幻想的なステージでATMCのトリを華やかに務め上げた。
リハ中に降った雨に心配もあったが、ライブがスタートするころには見事に雨足は止み心地良い風が吹いた。ピアノのSEが凛とした空気を作り出したかと思えば、小林祐介(Vo&Gu)が小さく「THE NOVEMBERS始めます...」と呟くと浮遊感のあるケンゴマツモトのギターがフィールドに舞う。"踊りましょう♪~"繰り返される言葉は気持ちよく耳を刺激し、気づくとどっぷりとバンドの世界へ入り込んでいた。 「楽しい夜を...」言葉少ないMCもバンドの世界観のひとつに感じる。「dogma」、高松浩史(Ba)のずっしりと重厚感あるリズム、吉木諒祐(Dr)のハリのあるドライなドラムに小林の声が合わさると、ヒリヒリと危なっかしい匂いのする世界観が肌に伝わるし、ケンゴの泣き叫ぶようなギターに思わず背筋がゾクリとする。ステージ後方からフィールドに向けて光る照明でメンバーの顔が見えない。それでも目ではなく、耳で感じる音だけでもしっかりとバンドの姿を感じ取れる。 淡々と続く音の世界につけいる暇はない。ただバンドが放つ音に気持ちを任せて浸るだけ、オーディエンスは静かに魅入る。「こわれる」、続く「彼岸で散る青」、小林の命の叫びのようなシャウトが夜の空気に差し込むようにフィールド奥まで届く。4人が一気に落とし込むサウンドは快感でしかない。 "このステージに立てることを誇りに思います。今日1日鳴ってきた音楽、これから鳴る音楽をRUSH BALLに捧げます"と、イベントへの感謝を伝えラスト「GIFT」へ。優しく、柔らかい雰囲気を醸し出す楽曲に綴られる言葉のひとつひとつがオーディエンスに渡っていく。広がる音の世界に気持ちも全部吸い込まれ、一緒になって昇華されていきあっという間にステージが終了。ATMCのトリのステージ、彼らはこの日鳴ったすべての音楽に花を飾る美しいステージを観せてくれた。 -Set List-
M1. Harem
M2. dogma M3. こわれる M4. 彼岸で散る青 M5. GIFT BIGMAMA
壮大なクラシックのSEを背に登場のBIGMAMA。一転して性急なビートで突き抜けていこうとする「Mr.&Mrs.Balloon」。小雨も降り出し、決してコンディションが良い状態ではないが、力強いメロディーが観客を持っていってしまう...、そんなパワーを感じる。続く「荒狂曲"シンセカイ"」では、東出真緒のヴァイオリンがバンドを、そして観客を刺激していく。ボーカルの金井政人はMCで「わかってはいたけど...、むちゃくちゃ良い眺めです! この夏、一番良い場所を僕らに提供してくれたのがRUSH BALLです。今日は尊敬するストレイテナーとサカナクションに挟まれて...、今日でBIGMAMAは何か変われる気がするんです。この夏の僕らのアンセムをやります」と話し、歌い出したのはニューシングル「alongside」。美しい楽曲だが、しっかりサウンドもぶ厚く、みるみる内に惹きこまれていく。
今年発表されたニューアルバムの表題曲「君想う、故に我在り」では東出が鍵盤を奏で、そこにリアドのずっしりと重たいドラムも重なり、最高のラブソングを聴かせてくれた。終わった瞬間、金井は「あーあ...」と思わず声を漏らして、後1曲で最後な事を寂しがる。「大切な人は必ず、どこかにいるはず」というメッセージも込め、「until the blouse is buttoned up」へ。東出が「BIGMAMA」と大きくデザインされたタオルをステージの最前まで向かい、堂々と掲げる。観客もコーラス部分を飛び跳ねながら大合唱し、まるで歓喜の歌のように響く。最後、金井はRUSH BALLスタッフへの感謝も述べ、そして自然にまるでカーテンコールかのように東出とふたり並び、観客へも感謝を込めて礼をした。彼らの音楽からは誠実な姿勢が感じられる...、だから初見の人をも思わず感動させてしまうパワーを持っている。思わず涙腺が緩んだ人は、多かったはずだ...。 -Set List-
M1. Mr. & Mrs. Balloon
M2. 荒狂曲"シンセカイ" M3. alongside M4. 秘密 M5. 君想う、故に我在り M6. until the blouse is buttoned up DEDE MOUSE [ATMC]
すっかり日も落ち、これからの時間は彼のもの。夜空を味方に、星々の歌声が聴こえてきそうなデジタル・ミュージックを奏でるDE DE MOUSEがATMCに降り立った。
ドラマーを従え、打ち込み+生音の贅沢かつ密な編成で贈る今宵のステージ。1曲目『east end girl』から、幻想的な音世界が一面に広がっていく。時折カットアップされる女性ボーカルや、懐かしさを呼ぶ和音階の重なり。懐かしさと少しの不安をももたらす、不可思議なDE DE MOUSEワールドへ数多のオーディエンスが誘われていく。かと思えばハンドクラップが揃う景色は、あたかもお祭り会場。万華鏡のようにキラキラうつろいゆくサウンドメイクで、瞬きすらできないほどだ。 MCでは、「RUSH BALL、呼んで頂き大変光栄です。(サウンドは)全然ロックじゃありませんが、僕の魂はロックだと思っています」と秘めたる熱を語ってくれた彼。続く『Light Night Dance』では前線へ飛び出し会場のムードを自在に操っていく。その姿は、さながらコンダクターのよう! ラスト、まばゆくも瑞々しいメロが印象的な『milkyway planet』で、約20分に及ぶ夢のような時間は終わりを告げた。 脳内にループする極上のサウンド・ウェーブは、RUSH BALLの新たな波の予感。いつまでも体内に留まる浮遊感に、新鮮なインパクトを受けたステージとなった。 -Set List-
M1. intro
M2. east end girl M3. dancing horse on my notes M4. light night dance M5. untitled rebuild M6. milkyway planet ストレイテナー
「泉大津にお集りの皆さん、我々はRUSH BALLを大暴れさせにやって来ました。よろしく!」と、しょっぱなからもうアガるしかないだろうというナカヤマシンペイ(ds)のMCで始まったストレイテナーのライブ、ド頭はなんといきなりの『ROCKSTEADY』!! そう、この曲は2011年にテナーが初めてRUSH BALLのトリを飾ったとき、最後に演奏された初期からの代表曲であり名曲。これにはオーディエンスも盛り上がらずを得ない。が、テナーのSっぷりはそんなもんじゃない(笑)。そのままビートをつなげてヒナッチ(b)のワウベースからなだれ込んだのは、これまたキラーな『DISCOGRAPHY』! あかんて、鳥肌止まらんからやめて。なんて泉大津のオーディエンスの心の声(俺含む)が聞こえてきそうな(笑)瞬殺2曲で、一気に会場を掌握。みんなの声、そして表情、テナーがいかにロック・アディクトたちに愛されているのかが分かる。男子からの怒号のようなヒナッチコールも何だか微笑ましい(笑)。一転、美しくも物悲しげなピアノが導く『SIX DAY WONDER』は、夜の入口へとたどり着いた泉大津フェニックスに、切々とそのグッドメロディを沁み渡らせていく...。
「2年前に初めてトリを取らせてもらって、去年も出たかったんだけど、"トリ取ったんだから1回休め"と言われて(笑)。そのときも台風が来てたんだけど、スタッフがステージを守ってくれて、台風に勝って開催出来た。その最高のステージに帰ってきました! ここで新曲やってもいいですか!?」とのホリエ(vo&g&key)の言葉を受け披露されたのは、間もなく発売されるミニアルバム『Resplendent』に収録されている『シンデレラソング』! サビで4つ打つロックシーンのトレンドに真っ向勝負し自分のものにしたこの曲は、これまた破壊力のあるブチ上げロックナンバー。今後の彼らのライブでも鍵を握る曲に成長していくことは間違いない。 そして、『From Noon Till Dawn』に続いて、またもナカヤマが「大事なことなので、もう1回言います。我々は皆さんを大暴れさせるためにやって来ました。親愛なる泉大津のバーサーカーたちに捧ぐ!」なんて言うもんだから、無論会場全体のオーディエンスに着火! ロックのステップ踏みまくりの怒濤の『BERSERKER TUNE』に、最後のトドメの名曲『Melodic Storm』では、「一緒に歌おう!」というホリエの煽動に、みんなで拳を振り上げ大合唱!! Twitterのタイムラインにすぐさま"今日のテナーは神セトリ"と書き込まれるのも納得の(笑)セットリストと内容で、RUSH BALLの15周年を祝うに相応しい光景を見せてくれた。 -Set List-
M1. ROCKSTEADY
M2. DISCOGRAPHY M3. SIX DAY WONDER M4. シンデレラソング M5. From Noon Till Dawn M6. BERSERKER TUNE M7. Melodic Storm グッドモーニングアメリカ [ATMC]
サウンドチェックの時点ですでにパンツ一丁(笑)のたなしん(b)。[Champagne]の「Starrrrrrr」を歌ったり、金廣(vo.g)もユーミンの「ひこうき雲」を歌うなどのサービス全開でファンも大喜び!
そしていつもながら、何が起こるのかという期待感に包まれた会場に登場したたなしんは、ラッシュボールにちなんだ"ドラゴンボール"の"孫悟空"の姿でPA横の鉄塔によじ登るとドラゴンボールの主題歌を熱唱!「つっかもうぜ~ドラゴンボール!世界でいっと~泉大津フェニックス♪」に会場は大爆笑。そして、7個のドラゴンボールを客席に投げる!投げる!出演アーティストのサイン入りボールだとか(笑)。「ワクワクする準備はできてるかー!?」「いつもはライブ中にやらせていただくんですが、もうやります!3.2.1と言ったらファイヤー!ってやってください。ココロを1ミリだけ動かしてください!」と恒例のコール&レスポンスと共にオーディエンスのテンションはマックスに! 「キャッチアンドリリース」、「空ばかり見ていた」では、伸びやかにどこまでも響いていくかのようなヴォーカルが爽快すぎて、後方まで隙き間なく手があがる。「RUSH BALLとここにいるみんなに全力の感謝をこめてやらせていただきます!」と渡邊(g)。「みなさん、忘れられないような本当に大切な人がいますか?」と金廣が語りかけると、はじまったのは、「餞の詩」。昼間から夜に変わるマジックアワーと重なったフェスならではの空間と、心をわしづかみにされるような金廣のヴォーカルに誰もが酔いしれた。最後は、5月に発売された1stフルアルバムの表題曲、「未来へのスパイラル」で締めくくり、4曲のみの短い時間だったが、4人の全身全霊がこもったパフォーマンスに会場から惜しみない拍手&アンコールが届けられた。 -Set List-
M1. キャッチアンドリリース
M2. 空ばかり見ていた M3. 餞の詩 M4. 未来へのスパイラル THE BAWDIES
RUSH BALL15周年のアニバーサリーを祝うべく、ステージに登場したのは初登場のTHE BAWDIES!!
ロックンロール・パーティに集まったオーディエンスたちはハンズクラップでメンバーを出迎える。「IT'S TOO LATE」、渋みのあるブルージーなROY(Vo&Ba)のボーカルに疾走感あるナンバーでスタートダッシュを決めると一気にご機嫌なロックンロールナンバーが続いていく。"デッカイお祭りがあると聞きつけ、駆けつけさせていただきました! 心を裸にして楽しんでいただければ..."と続く「ROCK ME BABY」「LEMONADE」、キッズが夢中になって身体を揺らす。無駄のないソリッドなTAXMAN(Gu&Vo)のギター、唸るグルーヴが最高に気持ちいいJIM(Gu&Cho)のギター、2人の弾き出す音にオーディエンスのステップが止まらない。 "日本の夏といえばお中元。手ぶらで来ないわけにはいかないんで..."と11月に発売が決定したばかりの新曲をお中元代わりに披露。すでにカメラのCMタイアップでも聴くことができるこの曲。これから始まる未知の旅への後押しをするような、広がりある楽曲にしばし聴き入る。 "ロックンロールの言葉にジャンルはない。感情を爆発させて、頭で考える前に身体を動かして"と「KEEP ON ROCKIN'」へ。爽快なロックチューンをより加速させるMARCY(Dr&Cho)のドラムにあおられ、手をさらに高くあげてハンズクラップで応え、振り切ったでっかいシャウトがフィールド中にこだまする。勢いに乗って次に披露された「HOT DOG」、泥まみれになって腕も足も振り上げて踊りまくった。 ラスト「SING YOUR SONG」、ストレートなロックンロールナンバーの影にはR&Bのソウルと狂気を感じる。JIMはステージでのけぞり、ROYがシャウトをかます。初めての出演とは思えないほど、オーディエンスと一体になって突き進んだ全7曲。最後に彼らのステージではおなじみの全員で「ワッショイ!!」をキメてステージを終えた。 -Set List-
M1. IT'S TOO LATE
M2. ROCK ME BABY M3. LEMONADE M4. THE SEVEN SEAS M5. KEEP ON ROCKIN' M6. HOT DOG M7. SING YOUR SONG LOSTAGE [ATMC]
時は17:00前、トンボが舞うATMCのステージ中央に、寄り添うように集まるギター、ベース、ドラムの三角形。淡々とサウンドチェックをこなし、「いい? やる? やりましょう」と、いつものようにライブをスタートさせたのは、2010年以来3年ぶりの出演となるLOSTAGEだ。しょっぱなの『ひとり』から、エッジィなギターと耳をつんざくボーカルが泉大津の広大な空に突き刺さる。会場にはこの日の出演アーティストの姿もチラホラ。ミュージシャンにも愛されるLOSTAGEらしい光景だ。続く『真夜中を』といい、バキバキのベースラインと重たいビート、切れ味鋭いギターが織り成す、この3人にしか出しえないアンサンブル...冒頭からライブバンドの壮絶なまでのダイナミズムを見せ付ける。
「奈良から来たLOSTAGEです。よろしくお願いします」 そう挨拶だけして目と目を合わせれば、またバンドは動き出す。彼らの楽曲の中でもひときわメロウな『BLUE』では、思わずオーディエンスの拳も上がる。一転、『楽園』では血気盛んなキッズたちもじっくりと耳を傾け、グッと引き込まれていくのが手に取るように分かる。 「もう1曲、僕たちにとってすごく大事な曲をやって帰ります。LOSTAGEでした」 哀愁のギターに懐の深いたっぷりとしたビートが重なり合う最後の『GOOD LUCK』は、ただの優しさではなく、哀しみを知るからこそのあたたかさのようなものが漂う新曲。MCらしいMCはほとんどなく、己の音をストイックに鳴ら切ったLOSTAGE。あれから3年、轟音フィードバックを残したATMCのステージの上からは、どんな景色が見えたことだろう。 -Set List-
M1. ひとり
M2. 真夜中を M3. BLUE M4. 楽園 M5. GOOD LUCK ACIDMAN
「7回目の出場だそうで。歴代3位なんです」(大木伸夫/vo&g)と語ったのは、その言葉通りRUSH BALLにおいて、数々の名アクトを積み上げてきたACIDMANだ。
ド頭から2003年の名曲『飛光』をぶっ放し、泉大津は見る間に歓喜の渦に包まれていく。続いて地鳴りを思わせるイントロから、またもや初期の名曲『造花が笑う』を。惜しみない名曲の数々は、RUSH BALL15周年への心意気を感じさせてくれ、何とも心憎い。それに呼応するように、大観衆が拳を突き上げる光景も鳥肌モノだ。さらに『FREE STAR』では内側から突き動かされるほどの躍動感をもたらしてくれ、前半とは思えない怒濤の展開で魅せていく。 「若い世代がどんどん盛り上がってきていますが、僕らは中堅なんて呼ばれたくないし、ましてやベテランでもない。新人のつもりで頑張っていきます」。淡々と語る大木の言葉は、そのトーンとは裏腹に熱いものを秘めている。そんな、まだまだこれからとばかりの決意にじむMCを経て、壮大なロッカバラード『アルケミスト』を。そのドラマチックさをあえて叩き壊すかのように、衝動溢れる『ある証明』、さらにエンディングには『新世界』をポジティブに奏で、大団円を迎えた。 肌の上を衝撃がビリビリ走るようなロック・アンサンブルは、最少にして最強。そう、3ピースということを忘れそうなほど強靭でブ厚い音世界は、数々の歴戦が培ってきたものに違いない。RUSH BALLのヒストリーと共に、トリオの可能性を拡大し続け来た彼ら。その先に続く道程はまだまだ驚きに満ちていることだろう。 -Set List-
M1. 飛光
M2. 造花が笑う M3. FREE STAR M4. アルケミスト M5. ある証明 M6. 新世界 キュウソネコカミ [ATMC]
雲から太陽が透けて見える程に天気も回復。リハーサルの段階で既に沢山集まった観客と、息の合った全力のコール&レスポンスが放たれる。聴こえてくるthe telephonesの音に合わせて踊るメンバー。それに合わせて手拍子と歓声が飛び交う。開始前にも関わらず、すごい盛り上がりをみせるが、「ちゃうねん! リハーサルの時間なくなるやろ!」とすかさず、ヤマサキ セイヤ(Vo/Gt)がツッコミを入れる。これまでとは全く違う雰囲気でスタートを切ったのは、来月にニューアルバムが発売され、18か所めぐるレコ発ツアーも決定している、新進気鋭のバンドだ。
「インディーズバンド、キュウソネコカミじゃ!」とヤマサキの叫びから、「キュウソネコカミ」、「サブカル女子」と鋭利だが耳に残るサウンドで一気に畳み掛ける。日頃溜まった鬱憤を、ここぞとばかりに吐き出したかの様な、躊躇のないレスポンスが気持ちいい。ライブでの定番曲「DQNなりたい、40代で死にたい」で更にヒートアップ。ヤマサキの掛け声に合わせて、まるで『モーゼの十戒』のように観客が二分され、曲のクライマックスでお待ちかねといわんばかりにモッシュが! 観客は泥と汗でぐしょぐしょになりながらも、夢中になって踊り狂う。気づけば端が見えない程、ATMCいっぱいの観客。物販ブースあたりからもレスポンスが聞こえる光景は、痛快だ。 「頑張ったな、俺たち! やっとここまできたな!」(ヤマサキ)。「結成してよかったですね!」(ヨコタ シンノスケ・Key/Vo)。以前はRUSH BALLのいち観客として眺めていたステージから逆に観客を眺める...、そんな様子は"アメリカン・ドリーム"ならぬ、まさに"泉大津ドリーム"! 心にグッとくるワンシーンだった。「お願いシェンロン」では、「大丈夫か?」と気遣いがらお手製の「筋斗雲」に乗ってダイブ。途中、携帯を落とした観客を気遣うなどの丁寧な姿に、ただの尖ったバンドとはひと味もふた味も違う核心的なパワーを感じる。瞬発力ある大爆発を、連続で起こした彼らのダンス・ロックは、熱狂的な余韻を泉大津の地に残した。 -Set List-
M1. キュウソネコカミ
M2. サブカル女子 M3. DQNなりたい、40代で死にたい M4. お願いシェンロン M5. ネコ踊る the telephones
ノブこと岡本伸明(SYNTHSIZER)がスタンドを持って走り、そしてボーカルの石毛輝が甲高い声で「晴れたぜ~!!」と呼びかける。「太陽をミラーボールにして踊ろうぜ! 猿のように踊ろうぜ!」という石毛のシャウトを合図に、「Monkey Discooooooo」でスタート。4年前のメジャーデビュー時のナンバーだが、当時の勢いがまんま表れたかのような高揚感を煽るシンセのフレーズに思わずニヤリとさせられる。「new disco!!」と石毛が叫ぶたびに、観客も全員同じく叫ぶ。1曲目から、立派なダンスホールが出来上がった。
石毛は「DISCOの向こう側へ連れて行こうと思っています!」と高らかに宣言した後、思わず「RUSH BALL15周年おめでToisu!」と同じ事務所の先輩POLYSICSのハヤシが先ほど放った名言(!?)を引用する一幕も。ノブが「フェスを制するのは、俺らとお前らだよ!」と想いのたけをぶちまけ、石毛いわく「激辛大盛り」系な「HABANERO」に続く。ノブがカウベルを叩き、石毛はギターを一旦置いてまで側転を披露する。ノリノリな雰囲気の中、ゆっくりながらも徐々に何かが迫ってくる壮大なイメージの曲調である「I Hate DISCOOOOOOO!!!」へ。 「最後は魔法の言葉『DISCO』を叫ぼうぜ!」という石毛の言葉をきっかけに、「We are」からの...「DISCO」へのコール&レスポンス!! そこから6年前の1stミニアルバム収録で、締めくくりにふさわしい「Urban Disco」に繋がる。「I am DISCO!!!」の歌詞でも御馴染みであり、そして彼らを象徴するようなナンバー。彼らは昔から、ただアゲるだけの集団ではなく、ずっと踊らせる集団であった事がよくわかる秀逸な楽曲。メンバーが去った後も石毛はしゃみこみ、まるでトッラクメイカーのように自身のエフェクターからノイジーなサウンドを繰り出して、観客を最後まで踊らせていく。去り際の「フェスの基になっているライブハウスにも遊びに来て下さい」という石毛のメッセージからは、ライブハウスという現場を心から愛して大切にする魂が感じられた。 -Set List-
M1. Monkey Discooooooo
M2. Pa Pa Pa La Pa
M3. HABANERO M4. I Hate DISCOOOOOOO!!! M5. Keep Your DISCO!!! M6. Urban Disco GOOD ON THE REEL [ATMC]
イベントも中盤にさしかかり、ATMC4組目に登場したのはGOOD ON THE REEL。メンバーの登場を迎えるSEが鳴り響く中、千野隆尋(Vo)が大きく手を広げ"どうぞよろしく..."とオーディエンスに深く一礼し、1曲目「素晴らしき今日の始まり」へと流れる。
いつの間にか遠くへ去った曇り空は晴れ間へと変わり、空高々に岡崎広平(Gu&Cho)、伊丸岡亮太(Gu&Cho)の2人のギターの音色が大きく広がっていく。語り出すように歌う千野の歌声に心魅かれ、手を固く握り空へ向かって掲げるオーディエンスたち。感情の赴くままに、切々と歌い上げる楽曲は優しく身体に馴染む。続く「それは彼女の部屋で二人」、ツインギターのメロディーは大きな開放感を持ってオーディエンスに響いていく。 「RUSH BALL☆R」への出演はあったものの、本イベント初出演となる彼ら。出演できたこと、集まってくれた観客への感謝を伝える。楽曲が終わるたびに"ありがとう"と丁寧に言葉にする千野の思いはしっかりとオーディエンスへと届いたはずだ。 もうすぐ終わってしまう夏、誰もが感じるだろう寂しい気持ちや今しか生きられないからこそ生まれる辛さや苦しい気持ち、すべての"感情"をもっと楽しもうよと、"笑顔になれる音楽を届けたい"と「いらない」を披露。思いのひとつひとつを大切に音にする彼ら。じわじわと入り込む音は色んな気持ちを解放させ、バンドの世界観に共感したオーディエンスが手を握って涙する姿がとても印象的だった。晴れやかに眩しい陽が差し、空気までもバンドの世界観をより昇華させる。 "まだまだ続く特別な1日に向けて..."と、最後の「シャワー」へ。宇佐美友啓(Ba)、高橋誠(Dr)が打ち出すリズムは鼓動に近くすっと溶け込むような感覚を持たせる。"生きている"、単純だけど難しい毎日に寄り添う彼らの楽曲は4曲という少ない曲数ながらも存分にバンドの魅力を伝えてくれた。 -Set List-
M1. 夕映
M2. いらない M3. 素晴らしき今日の始まり M4. シャワー FRONTIER BACKYARD
HOPEと書かれたタオルを掲げてステージに登場したTGMX(vo)。そう、FRONTIER BACKYARDが3年ぶりに泉大津フェニックスに帰ってきた! リズミカルなビートが心地いい『Wonderful World』からスタートしたこの日のライブ、すかさずの『TWO』でも会場をリフトアップ、続けざまの『TRACE NONE』では、サポートのTA-1(key)もショルキー片手に縦横無尽に駆け回り、TGMXはステージを降りオーディエンスの元へ! 「騒げ~!」と煽りつつカメラへのアピールも忘れない、オトナの嗜みにシビれる。そんな中、いつの間にか泥んこダンスフロアと化した泉大津フェニックスに、さっきまでの雨雲が嘘のような太陽が...!
「初めて観る方々、FRONTIER BACKYARDです。天気が良ければ何でも出来る(笑)。今日この先はまだ分かんないけど、泥んこになるのもいいんじゃないですか? そのつもりで来たんでしょ!?」なんてTGMXの言葉とは裏腹のカンカン照り、この~晴れ男! 「さらにここからパーティーチューンでいきましょか!」と披露した『Putting On BGMs』では、自ずと沸き起こる拍手や手を振るオーディエンスに、思わずTGMXも「すげーいい感じ」と漏らすほど。続いての『hope』で「プット・ユア・タオル・アップ!」と促せば、様々なカラーリングのバンドタオルが泉大津フェニックスを鮮やかに彩る。その光景はまさに壮観! 「だんだんパーティーっぽくなってきたぜ~。the telephonesと間違ってないよね?(笑) 最年長バンド、FRONTIER BACKYARDもよろしく!」なんてMCの後は、なんと本当にthe telephonesからノブ(key)がフラッグを掲げ乱入(笑)。前回出演の2010年の光景がフラッシュバックする嬉しいサプライズに、観客も大盛り上がりだ。そこからは『missing piece』『POP OF D.』のアゲアゲチューン2連発で怒濤のエンディング! ハッピーな音楽が生み出すエクスタシーで初見であろうと必ずブチ上げる、盛り上げ請負人FBYの本領発揮のステージ。いや~チョー気持ちよかったっす! -Set List-
M1. Wonderful World
M2. TWO M3. TRACE NONE M4. Putting On BGMs M5. hope M6. missing piece M7. POP OF D. KEYTALK [ATMC]
またしても雨が強まるATMC。サウンドチェックでも持ち前のキャラで笑いを誘っていたのは、RUSH BALL初登場の注目バンド、KEYTALK。
デスメタルなSEの中、ももクロTシャツをアピールしつつ(笑)登場した小野(g)を筆頭に、颯爽と出直した4人に大歓声が。1曲目の「太陽系リフレイン」から挨拶がわりにドラムソロ、ギターソロを炸裂させる。その後は、ウルトラキャッチーなメロディーと個性的なツインヴォーカルでどんどん引きこんでいき、「一緒にジャンプして、大阪の大地を揺らしましょう!」と3月にリリースされた1STフルアルバムから「fiction escape」を。リズミカルな首藤(vo.b)のヴォーカルが高揚感をあおる。サビではハンドクラップ、総ジャンプで大盛り上がり。 「東京の下北沢から来ましたKEYTALKです!」 中盤MCではメンバー紹介を。「生憎の天気だけど俺らが楽しませるから、天気なんか関係ないと思いませんか!!」と次にはじまろうとしているプロデューサーであるFRONTIER BACKYARDに対抗意識を燃やしつつ(!)、後半へ。「夕映えの街、今」は、性急なビートと相まって巨匠こと寺中(vo.g)のアツいボーカルが胸をかきたてる。「夏が終わる前に最高の思い出つくりませんか?」と続く「MABOROSHI SUMMER」では、せつないサビと予想できない曲展開でどこまでも飽きさせない。そして「トラベリング」で盛り上がりは最高潮に!想いが届いたのかライブが終わる頃には、雨が止み、晴れ間まで見せるほどのパワフルなステージで、完全に大阪のロックファンの心をつかんで帰った4人だった。 -Set List-
M1. 太陽系リフレイン
M2. Sympathy M3. fiction escape M4. 夕映えの街、今 M5. MABOROSHI SUMMER M6. トラベリング 9mm Parabellum Bullet
押し寄せる人の待ってましたとばかりの大歓声とクラップを浴びながら、「RUSH BALLは4年ぶり」(菅原(vo&g))の9mm Parabellum Bulletが次なるライブアクト。
脳天直撃、野外フェスの広さと大観衆に負けない爆音が初っぱなから轟き渡る。歌謡的でキャッチーかつダンサブルな独特のメロディに、まさに"体感"と呼ぶにふさわしい重厚なサウンド、暴れくるう獰猛なギター、唸るベース、そして菅原の艶のあるボーカル...。加えて、彼らの持ち味でもある、アグレッシブかつダイナミックなステージングがオーディエンスの興奮を最高に煽る煽る! 途中、あいにくの天気について「雨もまざりてーんだよ、だって(RUSH BALLが)15周年なんだもん、しょがねーよ」と、オーディエンスを納得させてしまう饒舌MCを挟みつつ、「そんな雨粒を蒸発させてしまおーぜ!」と「ハートに火をつけて」、そして「泉大津まで辿り着いたぜ!」と歌詞にアドリブを交えた「Black Market Blues」etcとキラーチューンを次々と投下するもんだから、オーディエンスも狂喜乱舞、歓喜の嵐! 華のある堂々とした存在感と留まることを知らない怒濤の勢いで魅せた圧巻のステージだった。 -Set List-
M1. Answer And Answer
M2. Cold Edge M3. Vampiregirl M4. ハートに火をつけて M5. Black Market Blues M6. 黒い森の旅人 M7. The Silence SEBASTIAN X [ATMC]
雨も上がり、今月2年ぶりとなるフルアルバム『POWER OF NOISE』をリリースし、1週間前にはホームである吉祥寺からレコ発ツアーが開幕したSEBASTIAN Xが登場!
SEが流れると観客は雨しずくを吹き飛ばす勢いで、両手を振りかざし歓迎。大雨のことなど忘れたかの様に、頭から盛り上がりをみせる「サディスティック・カシオペア」。「夢を見てるか」という歌詞に続けて、「RUSH BALL!」と永原が叫び、真っすぐな歌声がつきぬける。 「天候にも恵まれ、最高のRUSH BALLですね!(笑)。SEBASTIAN Xが出たからには、これ以上雨なんて降らせませんよ!」と、ステージを飛んでは駆け回る明るい永原。そんな説得力ある言葉は続き、「カッパなんて捨てちゃいな! カッパなんて捨てちゃいな! 一緒に踊って帰りましょう!」と煽られ、身体を動かさずにはいられない。パワフルで躍動感あるサウンドに、濡れた身体も火照って温まり、雨雫も汗に変わる。 沸々と投げかけられる「血から踊っていこうという曲です。皆さんの血は踊っていますか!? RUSH BALLの血は踊っていますか!? 皆さんの"DNA"は踊っていますか!?」という言葉で、最新アルバムのリード曲「DNA」がスタート。パワフルなリズムで胸は鼓動し、伸びやかなキーボードでさらに加速する血が、ドクドクと踊っているのを"つま先から頭まで"感じる。ラストの「GO BACK TO MONSTER」では、拳が見渡す限りに突き上げられていた。SEBASTIAN Xの生きた音楽が、太陽の様に観客へと燦々と降り注いだ。 -Set List-
M1. サディスティック・カシオペア
M2. ヒバリオペラ M3. DNA M4. GO BACK TO MONSTER POLYSICS
ドシャ降りで約30分の雨待ちを経て、POLYSICS登場。すっかり雨もやみ、"空白の30分を取り戻さなきゃ損!"くらいの勢いで、登場SEから楽しむ気満々の観客。早速、ハヤシの「Toisu!」が連呼され、それだけで大熱狂に! RUSH BALL15周年への「おめでToisu!」も、もちろん忘れないハヤシ(笑)。1曲目「Let'sダバダバ」では、「ダ~ダ~ダ~ダバダバダバ~」と観客も大合唱。ハヤシの「さっきまで雨がダバダバ~!!」という呼びかけに大喜びする観客...、幸せな信頼関係が最初から出来上がっている。間髪入れず「シーラカンス イズ アンドロイド」、そしてカズーの音色が特徴的な「I My Me Mine」と畳み掛けていく。攻撃的に唸るベースだけなくコーラスがたまらなく可愛いフミ、精密機械のように的確に刻まれるリズムながらも重量感があるヤノのドラム。ハヤシ、フミ、ヤノの鉄壁な3人にシーケンスが組み合わさり、より最強になる。
親しみやすいメロディーラインがキュートな「Baby BIAS」、激しく鳴り響くシーケンスにハヤシのショルダーキーボードと見所満載の「MEGA OVER DRIVE」、競馬中継のサンプリングもミックスされた「ムチとホース」...、ただただ凄いし、ただただ楽しい。ラストは、14年前の1stアルバムから「Buggie Technica」。締めくくりにも関わらず、これから何かが始まりそうな熱や胸騒ぎを感じる何とも言えず魅力的なナンバー...。一心不乱に3人で音を鳴らし、見事に舞台を燃え上がらせる。舞台去り際は、ハヤシが「RUSH BALL、ありがToisu!」としっかり〆てくれた。 -Set List-
M1. Let's ダバダバ
M2. シーラカンス イズ アンドロイド M3. Everybody Say No M4. I My Me Mine M5. Baby BIAS M6. MEGA OVER DRIVE M7. ムチとホース M8. Shout Aloud! M9. Buggie Technica THE ORAL CIGARETTES [ATMC]
ATMCのファーストステージはまさかのどしゃぶり!!
今年のRUSH BALL☆Rを経て本イベント初出演となった奈良出身の4人組・THE ORAL CIGARETTESは豪雨の勢いを超えようと、がむしゃらでなステージでオーディエンスを夢中にさせた。"みんな大丈夫~? 雨にも負けず風にも負けず頑張ってなー! やる準備できてるよー♪"、山中拓也(Vo&Gu)がオーディエンスへ声を掛け、「mist...」でライブスタート。怪しげだけど妙に癖になるダンサブルな楽曲にあおられ観客はフィールドでドロドロになるなんてお構いなしでぐっちゃぐちゃになって踊りまくる。 続く「N.I.R.A」、雅哉(Dr)が叩き出すキレのよいリズムがハマる怒濤のロックチューンに乗って稲光のような照明がさらにテンションをあげていく。"まだまだそんなもんじゃないでしょ♪"と、「机上の空論に意味を為す」に繋ごうとするとシゲ(Gu)がまさかのミス!? ご愛嬌でブーイングが起きつつもソリッドな攻めのギターリフでばっちりカバー♪ 艶っぽさも持つ山中のボーカル、ノスタルジーな雰囲気を醸し出すあきらかにあきら(Ba)のベースは曇天の空にマッチしている。 "POLYSICSに行こうとする奴の度肝を抜くんで!"とATMCから挑戦状を叩きつけ「逆恨み小僧」、「大魔王参上」へと繋ぐ。ファニーなリリックでオーディエンスと一緒になってステージを盛り上げていく彼ら。「RUSH BALLで1番かっこいいキラーチューンにしてやる!!」とラスト「Mr.ファントム」へ。と、ここでまたも機材故障のハプニング!? 山中のギターがシゲに渡り、山中はマイク1本で盛り上げるRUSH BALL限定のステージが披露される。ギターの音が走り、刻むビート、ステージを終わらせまいとさらに強く降る雨を上回るパワーで見事に1番手のステージをキメこんでくれた。豪雨の中の初出演、オーディエンスの記憶にバッチリと残ることだろう。 -Set List-
M1. mist...
M2. N.I.R.A. M3. 机上の空論に意味を為す M4. 逆恨み小僧 M5. 大魔王参上 M6. Mr. ファントム avengers in sci-fi
雨が降ったり止んだりと不安定な天気で幕を開けたRUSH BALL2日目。かなり強めの雨が降っていたが、次世代ロックの雄、avengers in sci-fiが登場すると奇跡的に雨が弱まり、快調に演奏がスタート。
最新の4thアルバム『Disc 4 the Seasons』からのダンサブルな「The Planet Hope」でいきなりこれでもか!と躍らせる。長谷川(dr)の強靭なキックで「Universe Universe」が鳴らされると会場からは歓声が。「Psycho Monday」では、木幡(g.vo.syn)と稲見(b.vo.syn)2人のハーモニーがシンフォニックに厚みをつくりしていく。 「RUSH BALLにようこそ!avengers in sci-fiです!よろしく!」という短いMCのあとは息をつかせずに後半戦へ。 無数のエフェクターやシンセサイザーを駆使した、エレクトロニックなサウンドとダンサブルなサビで自然に体がゆれる「Sonic Fireworks」から「Yang2」への流れはアヴェンズの真骨頂。骨太なロックを土台にしっかり躍らせた。メンバーは、「15周年おめでとう!雨に負けるなー!」と最後にシンプルな言葉を残し、さわやかにステージを後に。MCはほとんどなしで、ゼロ世代ロックの覚悟をみせつけた潔いステージングが印象的だった。 -Set List-
M1. The Planet Hope
M2. Homosapiens Experience M3. Universe Universe M4. Psycho Monday M5. Crusaders M6. Sonic Fireworks M7. Yang 2 Czecho No Republic
雨を物ともせず、今か今かと開幕を待つオーディエンスの前に現れたのは、Czecho No Republicの面々だ。1曲目、雨雲を吹き飛ばすかのようにポップネスな『Call Her』から、見る間にグッドムードが会場を支配していく。ステージ中を飛び跳ね、体いっぱいにこの大舞台への歓びを表す武井(vo&b)に、渾身のシンガロングで応える大観衆の姿が何とも美しい。続く『Festival』では武井とタカハシ(cho&syn&g&per)の清涼感に満ちたハーモニーが野外によく映え、幸福感に満ち満ちたひとときに。また、10月30日にリリースを控えた新作から『ネバーランド』を披露。まるで絵本の世界が眼前に広がるようなまばゆいメロディで、更なる高揚感をもたらしてくれる中、続く『RUN RUN TIKI BANG BANG』では砂川(g)や八木(g&cho&syn)も前線へ飛び出し、客席を煽る煽る!
「いやぁ、楽しい! だがしかし、俺の知ってる大阪はこんなもんやないなぁ。まだまだいけるよな?」と武井が関西弁で客席を焚き付けると、ラスト『ダイナソー』で一気にクライマックスへ! 鼓動のようにやさしく体の芯へ響く山崎(ds)のドラミングと、それに乗せ全員で声を合わせる最高潮のハッピーが会場中へ伝播していく。ラストに降った小雨すらも恵みのシャワーに感じさせる、キラキラの空間。RUSH BALL最終日の幕開けを目くるめくポップサウンドで満たしてくれた 彼らのステージで、早くも本日の大成功を確信できたひとときとなった。 -Set List-
M1. Call Her
M2. Festival M3. ネバーランド M4. RUN RUN TIKI BANG BANG M5. ダイナソー |