LIVE REPORT

RB☆10

10周年を迎え、アニバーサリーイヤーを記念した最初で最後!?の『冬RUSH!』

みなさん寒い中をご来場頂きありがとうございます。

Tシャツ+タオルの格好で、入場列に並んでくださるお客様がとても多くて、見ているだけで凍えそうになります。。。若いってすごい!!

グリーンズとしてもこれが年内最後の現場です。
全員全力でがんばります!!
みなさんも全力で楽しんでくださーい!!

さぁ!開場です!!

ジン

トップバッターを飾るべく登場は、昨年の『RUSH BALL』の顔とも言える(FRONTIER BACKYARDとともに'08年は全ての『RUSH BALL』関連イベントに出演)ロックバンド・ジンだ。

さすが、フェスにも引っ張りだこな彼ら。初っ端から物怖じしないステージグで観衆の心を一気に掴みにかかる。紅一点ボーカル・ひぃたんの異様なまでの存在感に瞬く間に引き込まれ、自ずと拳に力が入り、目も耳も釘付け状態。

「最高のロックかましたいと思います、よろしく!」との雄叫び後も、全身を振り絞るような力強いパフォーマンス、そして迫力満点の歌声が、神々しいまでに妖しく光る世界観を築き上げていく。

そんなカリスマ性を帯びたボーカルを支えるメンバーも負けていない。衝動をぶつけるかのごとく怒濤のロックチューンを次々と炸裂させ、オーディエンスを煽る煽る!

「最後に噛み付かない、傷つけない、引っ掻かない・・・そんな優しい歌を歌いたいと思います」と新曲『優しい朝』を披露。水面に広がる波紋のごとくジワジワ広がるサウンドが、照明と相まり、まるで朝日を浴びているかのような情景を描き出す。

強烈なインパクトだけでなく、全7曲中3曲が新曲(!)と、日々進化を遂げる彼らの最新モードが体感できたステージ。充実のアクトがこの宴の最高のスタートを飾ってくれた。

怒髪天

このバンドを真っ昼間から観てもいいのだろうか!? (笑)

「ハイおはよう! 今なら5秒で寝られる自信あるぞ(笑)、さぁ起きるか!」とまくしたてる増子(vo)のMCから、アルコール度数高いごきげんバンド、怒髪天のステージがスタート! 『NO MUSIC,NO LIFE.』や『ビール・オア・ダイ』と、ド頭から底抜けにキャッチーなロックチューンの応酬で、いきなり会場は大合唱のシンクロ状態に! 寝起きとは思えない(!?)増子の軽快なコサックダンスや(笑)、“王子”のニックネームにふさわしい華麗な上原子(g)のギターさばきなど、とことんわかりやすく、でもとことんカッコいいパフォーマンスは全力で踊らずにはいられない。平均年齢41才の彼らのステージに、ロックキッズが湧き上がる様は何とも壮観だ。

「こんなストレートにカッコいいロックイベントへ俺らが混じると、お客さんも和菓子とかせんべい食ってる気分になるだろうねぇ(笑)」なんてふざけながらも、増子の言葉からは初の『RUSH BALL』出演に感慨深げな様子が伺える。

続く「生きてるだけでOK!」という身も蓋もない言葉に乗せた(笑)、怒髪天流応援歌『全人類肯定曲』ではなんとも幸せな空間が出現。“頑張れ”とかいうようなありきたりな言葉にはない、彼ららしいあったかさで客席にもパワーがみなぎってくるようだ。

そんなすっかりエンジン全開、むしろ飛ばしすぎてガス欠状態とも言える中(笑)、全員大合唱のコーラスが沁みる『サスパズレ』でシメ!

「俺らが酒のツマミにでもなったらいいねぇ~」なんて増子兄ィったらとんでもない! ツマミどころかフルコース並の満足感に包まれた、2バンド目にしてクライマックス感満載のステージだった。

オレスカバンド

「2008年ええ年やったなあって言えるように、踊り明かしませんか?」 この1年最も成長を遂げたと言っても過言ではない、オレスカバンドの登場です。

『PANTIME』、『花のスカダンス』、『ピノキオ』と次々に披露される楽曲はキャッチーでノリやすいものばかり。デビュー当時から備えていた持ち前のテンションの高さは健在。フロアにはスカダンスするオーディエンスが押し寄せる。その波はどんどん後ろまで広がり、わずか数曲であっという間に会場は彼らのホームに。

これこそ昨夏、46都市を回る全米最大級規模のパンクフェスツアー『WARPED TOUR 2008』に、日本人アーティストとして初めて全日程出演した成果だろう。精神的にも体力的にもひと回りもふた回りも大きくなってきた彼女らのタフで豪快なステージには1曲1曲の説得力が増した気がする。

特に昨秋に発表されたミニアルバム『What a Wonderful World! vol.1』に収録された『24カラット』 、『Going Away』など、聴き応えのあるライブを披露してくれた。

最後の『Super☆Duper』ではステージ前方から広がった輪は会場後方まで広がりをみせる。“総移動距離は約27000km”という中で、生活の中心にあるのは音楽のみ、数々のライブを重ねてきた彼女。そんな過酷な状況を苦ともせず、自身が楽しむこと、成長することを追求してきた彼女らの'08年集大成となるステージ、バッチリ見せつけてもらいました。

COMEBACK MY DAUGHTERS

ライブスタート前から続々と観衆が集まりだす。

今か今かと待ちわびる人々の熱気が充満したステージに、続きましてはパンク・キッズ憧れのレーベル、PIZZA OF DEATHからメロディ・メーカー、COMEBACK MY DAUGHTERSが登場だ。

聴き手の心を躍らせる、胸キュン度100%なグッド・メロディが会場に響き渡るたび、両手を挙げ、身体を揺らし応えるオーディエンス。あっという間に自然と笑顔の輪が広がる、ハッピーな空気感を作り上げる彼らの手腕はいやはやお見事です。 「比較的アゲアゲなセットリストで来てますんで、楽しんでいきましょー!」と中盤のMCでさらに煽るもんだから、観客のテンションはヒートアップする一方。畳み掛けるように『Spitting Kisses』、『FWR』と躍動感溢れるドラマティックで瑞々しい楽曲を披露した頃には、盛り上がりも最高潮、見渡す限り歌って、踊って、ハンドクラップ! の一色だ。

ポップでエモーショナルでカラフルで・・・誰もを心地よい気分にさせる、なんともスウィートな世界観を、バンドならではの骨太なグルーヴで聴かせた彼ら。終始ワクワク感を煽り続けたステージは、アンコールをねだるオーディエンスの歓声に包まれるほど、素晴らしかった。あっぱれ!

YOUR SONG IS GOOD

サウンドチェックの段階から既に大盛り上がりの観客の様子からわかるのは、彼らへの多大な期待感。その吸引力のスゴさに圧倒されていると、いきなり会場の照明が点灯! と同時に客席後ろから登場したのがファンキーなオルガン・インストバンド、YOUR SONG IS GOODだ。

彼ららしい粋なスタートを味わう間もなく(笑)、『A MAN FROM THE NEW TOWN』や『ACTION!!!!!!』といきなりのパーティーチューンの嵐! タテノリの熱いオーディエンスの姿に煽られるように、メンバーも振り切ったパフォーマンスで応戦する。この相互関係こそライブ=生の醍醐味!

「今日はお祭り。お祭りと言えば死と隣り合わせです(笑)。なので死ぬ気で楽しんで! そうすれば死なないから(笑)」というトボけたサイトウジュン(org)のMCからは、とにかく楽しんで欲しい! というピュアな衝動がビシビシと伝わってくる。神妙な顔つきのメンバーと、厳かなオルガンの音色から始まった『THE CATCHER IN THE MUSIC』では一転、ポップなテンションへなだれ込み一気にヒートアップ!

コミカルでファニーな直球のユアソンワールドに、ごった煮の客席はまさにお祭り騒ぎだ。それにしてもメンバーのくちゃくちゃな笑顔が実に印象的。「スペシャルなフェスなんだ!

素晴らしいメンツに、お客さんも最高! 最後まで遊び切りましょう」という言葉が示すように、オーディエンスよりも誰よりも楽しんでいるのがメンバーなのではないだろうか!? その姿につられる様に次々笑顔が連鎖していく会場。 そんな大団円のハッピーなステージに贈られた笑顔の嵐は、この日一番のものだったかもしれない。

曽我部恵一BAND

“動”のオレスカバンド、YOUR SONG IS GOODとは一味違うライブ、でも“静”なんて言葉とは正反対の熱いロックンロール魂を見せつけてくれたのは曽我部恵一BAND。

ステージをところ狭しと暴れまわる…

そんなライブもいいけど、中央に寄ったお馴染みのバンドセットを囲むように陣取ったステージ上の4人が、顔を合わせて重戦車のごとくグルーヴィな熱いロックで畳み掛ける。これぞまさしく曽我部恵一BANDの魅力。

「31日スケジュール空けていたけど、紅白には呼ばれませんでした。来年はもっと有名になりたいと思います」なんて冗談を軽く言い放つのも余裕の表れか…。ライブ序盤からエンジン全快の演奏と冗舌なトークで会場を沸かせてくれた。

中盤に披露された新曲『ほし』はロマンティックなリリックと耳馴染みのよいメロディが印象的。そして、リバーブたっぷりの口笛から始まる大合唱がなんともピースフルな『テレフォン・ラブ』は今や彼らのライブでは欠かせない1曲となった。さらに、『キラキラ』、ラストサニーデイの名曲『青春狂走曲』まで、曽我部恵一BANDの魅力が凝縮された喜怒哀楽が詰まったステージ。

会場には笑顔があふれ、誰しもがこの心地よい空間を満喫していた。そして、もちろんステージ上の4人はこの会場の誰よりも楽しんでいるようで…。そんなライブを観ていると思わずこちらも胸が熱くなる瞬間が何回もあった。

'08年の締めくくりをハッピーで終われるのもそんな彼らのライブを観ることができたからに違いない!!

FRONTIER BACKYARD

ハウスにブレイクビーツ、ロックやデジタルサウンドと、様々な音楽的要素も彼らがアウトプットすれば瞬時にその場はダンスホールに!そんなハイテンションなステージを作り上げたのが、踊れるミクスチャー・ロックバンド、FRONTIER BACKYARDだ。

彼らのライブではおなじみの盟友、CUBISMO GRAFICOこと松田岳二(perc、key)やRiddim SaunterのTA-1(シンセサイザー、b)をバックに迎え、ドーパミン放出しまくり!

開放感に満ちた、すこぶる爽快でグルーヴィーなサウンドの『短demand shatter』や、破裂しそうなドラミングが心地よい『PIRATES OF THE WOODS』と吹っ飛びそうな音圧で一気に畳み掛ける。その様は初見のオーディエンスや彼らのコアリスナーの垣根もお構いなし!

ロックファンやクラブ好きをも巻き込む全方位型のFBYサウンドに、音楽の底力を感じずにはいられない。星空風の照明が美しくステージを照らした『Look at me』でのポップなグッドメロディに酔わされ一息ついたかと思えば、「エブリワーン!」とステージの端から端まで全力で駆け回るTGMX(vo)のコール、そして瞬時にレスポンスするオーディエンスの姿に、会場がピースフルな空気で満たされる。音楽を心底楽しみ暴れまくるFBYメンバーと観客全てから、これぞ『RUSH BALL』! という熱い勢いを感じさせられた一幕だった。

POLYSICS

『RUSH BALL』のアゲアゲ番長・FRONTIER BACKYARDの後を引き継ぐのはご存知POLYSICS! 電子音SEが流れるや、会場は早くもタテ揺れ状態(まだライブ始まってません(笑))。

1曲目の『P!』から、オーディエンスはもちろんステージ上の4人も(笑)異様な盛り上がり。テンションを高ぶらせるホイッスル音と共に「ダンスしろ~!」とハヤシが叫べば、幾千もの拳が上がる。「冬RUSH! or DIE!!」のお決まりのMCもバッチリ、続く『シーラカンス イズ アンドロイド』 『機械食べちゃいました』『Tei! Tei! Tei!』まで、ボルテージ高まる高速ビートを一糸乱れぬ演奏で一気に聴かせれば、会場の各所でヘッドバンキングの嵐が巻き起こる。

「トイス トイス トーイス!『冬RUSH!』呼んで頂いて光栄です。最後まで飛ばしていくんでよろしく~!」とは言いますが、もう既に十分ぶっ飛ばしてます(笑)。

グラマラスなハードロック的4つ打ちデジタルビート『Moog is Love』では、広大な会場にミラーボールが回るド迫力の巨大クラブ空間が生まれ、『Digital Coffee』ではハヤシがギターを置いてハンドマイクで縦横無尽にステージを闊歩、会場を扇動するアクトっぷりもお見事だ。

カヨ(key)の投げやりなチアーのポンポンでアゲる(笑)『PEACH PIE ON THE BEACH』、キュートで狂暴な『Rocket』、そしてラストは代表曲『Baby BIAS』!

ダンダンダダダ♪のドラムのビートに合わせクラップが巻き起こる光景は、圧巻かつ痛快だ。ハヤシのオレンジのつなぎも汗だくで、「サンキュー!冬RUSH! or DIE!! 最後まで楽しんでねー!」との言葉を残し、本当にあっという間の35分間全力疾走のステージは終演。我を忘れてライブに没頭して楽しめる“これぞPOLYSICS”な魅力を、十分に発揮してくれた4人。今後の夏への参戦にも大いに期待しております! 

LOW IQ 01&MASTER LOW

スタートからステージ前方はもちろん、後方でサークルを作るお客さんまで…確実に会場のテンションは最高潮!!黒の上下にハットをかぶって颯爽と登場したLOW IQ 01&MASTER LOWがこの日の大トリです。 序盤から『NEW THINGS』、『AAA』、『T・O・A・S・T』と畳み掛けるライブに、会場はライブハウスさながらの熱気に…。その背格好はもちろん、サックスとの掛け合い、バンドとの呼吸の取り方、ひとつひとつが渋すぎます(笑)!

  でもこの日は会場の熱気に煽られるかのようにテンションがあがっていくアニキの姿が印象的。ステージをところ狭しと暴れまくり、足を蹴り上げ、拳を突き上げて会場と一体となるパフォーマンスを披露してくれた。『SEWAR』では一変してラウドなタテノリでフロアを揺らし、『GOT LUCKY』ではメロディアスな旋律で聴き手の心を揺さぶった。

ライブ中盤では「飛ばしていきますよ」というアニキの言葉通り、『F.A.Y』、『SO EASY』など代表曲を次々と披露。その曲のところどころではイントレにしがみつき、ステージの端から端を往復するように走りまくり!? 『WAY IT IS』、『RULES』と宙返りまでみせて会場を沸かせてくれた。このあたりのショーマンシップはさすがです。

「今年最後のライブなんですが、来年でソロ10周年になるんです。このバンドは僕のソロとしてずっと続けていけると思うんで、来年はちょっとデカイことをやりたいと思います」

疾走感と力強さを併せ持ったアニキのステージ。終盤ではメンバーがそれぞれ楽器を持ち替えて披露する場面も。楽器と引き換えに帽子を奪われたアニキの慌てた様子も観られて(このあたりのオシャレを忘れない精神もさすが!)、最初から最後まであっという間に過ぎ去ったライブだった。


このピースフルな空間の中で生み出された大団円がこの日の盛り上がりと、'09年度の夏への期待を象徴するかのようだった。

来年でRUSH BALLは11年目に突入。

新たな気持ちで、でも変わらないところはいい意味で変わらずに、挑みます。

では、2009年の夏にまたお会いしましょう!

SET LIST

ジン

M1. 解読不能
M2. ガンマ
M3. タイトル未定
M4. Vuena Vista
M5. ワンスモア
M6. 雷音
M7. 優しい朝


怒髪天

M1. サスパズレ(イントロ)
M2. NO MUSIC,NO LIFE.
M3. ビール・オア・ダイ
M4. 労働 CALLING
M5. 全人類肯定曲
M6. ドンマイ・ビート
M7. 酒燃料爆進曲
M8. サスパズレ


オレスカバンド

M1. PANTIME
M2. 花のスカダンス
M3. ピノキオ
M4. 24カラット
M5. Going Away
M6. 君ストライプ
M7. ナイフとフォーク
M8. チャック
M9. PAPAYA
M10.Super☆Duper

COMEBACK MY DAUGHTERS

M1. EXP
M2. Bite Me
M3. No Dice
M4. Spitting Kisses
M5. FWR
M6. Bored Rigid
M7. Fully Closed And Naked
M8. Have Lancho

YOUR SONG IS GOOD

M1. A MAN FROM NEWTOWN
M2. 熱帯BOY
M3. ACTION!!!!!!
M4. JUMP UP!SHIMBASH JUMP UP
M5. THE CATCHER IN THE MUSIC
M6. ブガルー超特急
M7. THE OUTRO


曽我部恵一BAND

M1. 恋人たちのロック 
M2. トーキョー・ストーリー
M3. 有名になりたい
M4. ほし
M5. テレフォン・ラブ
M6. キラキラ!
M7. 青春狂走曲

FRONTIER BACKYARD

M1. 短demand shatter
M2. PIRATES OF THE WOODS
M3. Fake us
M4. We want crazy sticks
M5. MUSIC IS A BASIS
M6. Look at me
M7. Putting on BGMs
M8. story's
M9. Flower of Shanidar

POLYSICS

M1. P!
M2. シーラカンス イズ アンドロイ
M3. 機械食べちゃいました
M4. Tei! Tei! Tei!
M5. Pretty Good
M6. I My Me Mine
M7. Moog is Love
M8. Digital Coffee
M9. PEACH PIE ON THE BEACH
M10.Rocket
M11.Baby BIAS

LOW IQ 01& MASTER LOW

M1. NEW THINGS
M2. AAA
M3. T・O・A・S・T
M4. SWEAR
M5. GOT LUCKY
M6. F.A.Y
M7. SO EASY
M8. WAY IT IS
M9. RULES
M10.LITTLE GIANT
M11.MAKIN' MAGIC

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